夏月一会
お父さんが、凪の父親だというのなら、産まれる時には、とっくにお母さんと結婚していて、私も産まれていたはずだ。
それなのに、お父さんは、凪のお母さんと……関係を持ったということだ。
そんなこと、信じられない……
お父さんに限って、そんなこと……
それとも、お父さんは、ずっと…私とお母さんを裏切っていたということなの……?
でも……
(お母さんは、色々と教えてくれたよ。父との馴れ初めとか。昔から相思相愛だったらしいよ)
凪がお母さんのことをそう言っていた。
とても、嬉しそうに……
私は、凪に見せてもらった、凪のお母さんの絵を思い出した。
とても、優しそうな、きれいな女の人……
(いつも、そんな顔で僕のことを見ててくれたんだ)
そして
(お母さんは、色々と教えてくれたよ。父との馴れ初めとか。昔から相思相愛だったらしいよ)
伯父が愛し、伯父を愛した人……
私は、伯母に会ったことがあるわけじゃない。
でも、伯母だって、伯父を…愛する人を裏切るような人じゃないと思う。
あんなに優しく笑う人が……
凪に、あんな優しい顔をさせる人が……
それに、伯父だってこのことをずっと昔から知っていたようだった。
これは、裏切ったとか裏切られたとか、そういうことじゃないような気がする。
「私の父と、凪の母親は……どんな……何の関係があったんですか?」
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