夏月一会

「でも、実際に麗海さんに会って、麗海さんのことを知っていったら、もっと知りたいと思ってた。…我慢できないぐらい、麗海さんのことが欲しくなった……僕は麗海さんとの関係を知ってたのに、気付いたらもう、止まらなかった」


凪の手が、そっと私から離れていった。



「麗海さんが嫌なら、僕は何もしない。……いや、初めから僕が麗海さんに触れていい資格なんて、ないんだよね」

凪は、悲しい目をしたまま、笑った。


「……ずるいよ。どうして、そんな言い方するの？」


私は、凪の頬に手を伸ばした。



凪のせいで、私の感情まで止まらなくなった。


私は、凪を求めてる。


だめだと思えば思うほど、気持ちは募って、我慢できなくなる……



凪が、頬に触れた私の手を上から握りしめた。


男としての目で、私を見つめている。


そして、私達は、再び唇を重ねた。

今度は、深く長い口づけだった。


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