バース(アイシテルside伸也)
目に沢山の涙を溜めて猛はコクリと頷いた。
「理由は後で聞いてやる。猛が学校に行けるようにしてやるから。ここにいるみんながお前の味方だ」
ポンポンと頭に手を乗せると、猛は何かが切れたようにワンワンと泣いた。
その姿を見ていた奴らが猛の手を取る。
「色んな理由があると思う。でも、みんなで乗り越えてはいけないか?俺だってずっと面倒をみれるかなんてわからない。だから自分たちの力で生きていく方法を探して欲しい」
「わかった」
遼も目に涙を溜めながら納得してくれた。
部屋にいる奴らも次々に……
「まずは俺が就職しなくちゃな。いい所あったら紹介してくれよ」
「俺の実家工場やってます」
「俺の兄貴の会社に聞いてみる」
猛を囲み沢山の声が飛び交った。