バース(アイシテルside伸也)
「あの店は名前はこの組のものだ。しかし縄張りがハッキリと決まっていないため、他の組の者も出入りしている。あの店さえ押さえれば、私の縄張りに薬などが流れてこない。残っているのはあの店だけだ」
あまりこの世界の事を知らない俺には親父さんの言っていることがピンっと来ない。
だから、組で片付ければ俺なんかに頼むよりも早い気がするけど……
「組の者を入れれば、抗争に発展するかもしれない。それを避けるために君に頼むんだが?わかるかい」
「なんとなくわかりました」
「やってくれるかね?」
「もちろんです」
「頼もしい。楽しみにしてる」
親父さんはどんなことがあっても組は一切関わっていないことにするようにと念を押して去っていった。