バース(アイシテルside伸也)


「まずは掃除からだな」



俺は着ていたシャツの袖を捲り上げ、窓を開ける。



「マジで掃除すんのか?」



「あぁ。今日から俺らの店だろ?」



「遼、みんなを呼んでくれないか?」



「もちろん。お前と2人で、掃除だなんて俺は無理だ」



遼はブツブツと文句を言いながら、携帯を耳に当てる。



親父さんからは改装費用も預かっている。



でも、1階のフロアはこのまま使えるな。



俺は階段を上がり2階の様子を見回すと、VIPルームと札がかけられている部屋がいくつも並んでいた。



部屋の一つを空けると、汚いベッドにソファー……



誇りまみれの部屋だった。


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