バース(アイシテルside伸也)
「そんなに驚いた顔しなくてもいいじゃない?」
「別に驚いていませんよ」
俺は女の隣に腰をかけた。
「貴方のお父様とはもう何十年もの付き合いで、やっと妻の座を手に入れられたの」
「はっ?」
「やっぱり驚いているじゃない」
クスッと笑う女のしぐさが妙に色っぽい。
綺麗な女というわけではないけれど、独特の雰囲気に飲み込まれてしまいそうだ。
「前の女に子供が生まれる前からの付き合いってことか?」
「そうよ」