バース(アイシテルside伸也)


女と会う時間を作ることによって、一人でいる時間は減ったけど、どうしようもない寂しさは相変わらず……



街へ出てはフラフラと歩いている奴らに声をかけて、行くところがないなら俺の所に来いと言って連れて帰る。



この頃、こたぁを拾ったのも俺だった。



光が失われた目は危なっかしくて、視界に入った途端に声をかけた。



俺は一体何をしたいんだ?



この街のためにやっているのか、こいつらのためにやっているのか……



それとも俺自身のためにやっているのか……



まるでわからない。

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