バース(アイシテルside伸也)


そう思っているはずなのに、足はどんどんと女のほうへと向かって動く。



居酒屋の前なんかで座っていたら、危ないに決まってるだろうが。



馬鹿かコイツは。



「お前、来るなって行っただろーが!!」



俺は何でコイツに話しかけてるんだろう?



「あっ、伸也さん」



立ち上がり、俺に笑顔?を向けている。



笑顔とは全然呼べないけれど、本人はきっと笑っているつもりなんだろう。



「猛と来たのか?」



「いいえ。一人です」



「バカかっ!!またヤラれたいのか?!」



「どうなんでしょう?」



「ふざけんなよ!!」



「ふざけてませんよ」



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