バース(アイシテルside伸也)
「私……」
「あぁ」
一言一言、吐き出すたびに亜美の体の震えは大きくなっていく。
「…………」
「吐き出せ。聞いてやるから」
「怖い……毎日怖い」
「何が?」
「男達がまだ隣にいるみたいで……学校でもそのことがバレて、みんなが私をそういう目で見る。そしたら、クラスの女の子まで男達に見える」
声も体もこんなにも震えているのに、亜美の瞳は乾いたまま。
「他には?」
「こんな思いするなら、殺して欲しかった。死ぬのなんて怖くない」
その言葉を聞いた俺は亜美が男に触れられる事を怖がっているのも、亜美は俺にとって関係のない人間だとか、そんなことすべて忘れて抱きしめていた。