バース(アイシテルside伸也)


「いい顔つきしてるな。強いだろう?」



威圧感とは裏腹に康さんは優しい顔つきで俺に話しかけてくる。



「シンは強いですね。でも、毎日喧嘩ばっかりだし、たまには人数的にやばいんじゃないかって思いますよ」



「遼に聞いてねぇよ」



「ちぇっ!!」



遼は不貞腐れて他の奴らと話し出した。



俺は元々会話が苦手だし、二人きりにするんじゃねーよ。



横目で遼を睨んだけど、そんな事を察してくれるような奴じゃない。



「まぁ、座れ」



「はい」



大きな皮のソファーに康さんと俺が並んで座る。



「強いは言い方を間違えたな。負けることが怖くないだろう?」




「そうですね」




ハハッと鼻で笑われたことにイラっとする。



いつもならぶん殴ってるな。



「気を悪くするな。お前、俺に似てるよ」



「どういう意味ですか?」



「お前のことは手に取るようにわかる。昔の俺だからな」

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