バース(アイシテルside伸也)
バスルームには見たことのないチャラチャラとした男と亜美の元彼が亜美の腕を掴もうとしている。
「亜美!!」
俺は危機一髪、亜美の体を抱きしめた。
「大丈夫か?」
「伸也さん……」
「持ち上げるからな」
俺だとわかっていても震えている亜美の体を俺はそっと抱きかかえ、出入り口へと向かった。
「てめぇ、誰だ!!」
見知らぬ男が俺の前に立ち塞がる。
思い切りその男に蹴りを入れようとした時、亜美の元彼が男を止めた。
「コウスケ、やめろ」
怒りを抑えながら、2人の横を通りドアノブに手をかけようとした時……
「谷沢 伸也。久しぶりだな」
挑発するような声が俺の背中にぶつかった。