バース(アイシテルside伸也)
亜美の気持ちがようやく掴めてくると、冷静さを取り戻す俺。
でも、冷静さを取り戻せば自分の言った発言が今更恥ずかしくなってくる。
「なんで、お前は俺がお前を女の一人にしてるなんて思ったんだよ?俺は大切に扱ってたけどな~」
恥ずかしさを紛らわすために、軽い口調で話を続けると……
「だって、こんな汚い体の女になんか誰も興味ないと思ったし……私、5歳も年下だし、伸也さん一緒に寝ても何もしてこないし……」
……なんて、頬を赤く染めながら亜美が喋り出すから、俺の心は再び取り乱してしまう。
バコッ
「痛い!!」
可愛くて、もどかしくて、俺は亜美の頭をどついた。
「バカか、お前は。お前の体は汚れてねぇよ。綺麗なままだ。それに歳は関係ねぇだろうがっ!!しかも、手ださねぇって、俺がどれだけ我慢してるかわかってんのか?!」
「我慢?」
あんな奴でも付き合ったことがあるんだろ?
男と付き合ったことがない、みたいな台詞吐いてんじゃねぇよ。
「お前が怖いだろうと思って、手出さずに我慢してんだろーが。お陰で俺は一年近くヤッてねーよ」
「ごめんなさい」
泣きそうな顔をして頭を下げられたら、俺が悪い事を言ったみたいじゃねぇか。
俺はコイツに振り回されてばかりだな。
「もういいけど、これからは信じろよ。俺はお前を愛してる」
「伸也さん……」
目には涙を溜めて、上目使いで見つめられたら、さすがの俺だって理性がぶっ飛んじまう。
俺は強引に亜美の唇に自分の唇を重ねた。
「……っん」
亜美が漏らした声に俺はその先を望んでしまう。
今日は我慢できないかもな……