バース(アイシテルside伸也)
敵2
朝、目を覚ますと俺に寄り添うように亜美が眠っている。
小さな寝息がなんとも可愛らしい。
俺は他人にこんな感情を抱いたのは初めてだ。
尊敬してるとか、憧れているって思ったことはあっても、こんな風に言葉に出来ないほど愛おしくて仕方ない事なんて今までにはなかった。
そっと亜美の頬に触れると亜美は寝返りを打つ。
こうやって歳をとっていけたら幸せと感じられる日が来るんだろうな……
音を立てないように手を伸ばし、ベッドの隣に置いてある飾り棚から煙草を取り出した。
何もしないこの時間が今は大切に感じるな。
……なんて亜美を見つめながら、煙草を吸っていると亜美が目を開けた。
「はよう」
「あ、うん。お、はよっ」
俺の姿を認識するとカーっと顔が赤くなる亜美。