バース(アイシテルside伸也)

「一つだけ条件がある」



そう言ってレイカは立ち上がり、ベッドに腰掛けていた俺の膝の上に跨ってきた。



「条件を言え」



「シンに協力している間、私の言うとおりにして。私が抱いて欲しいときには必ず抱いて。簡単でしょ」



そう言うとレイカは俺の唇に自分の唇を重ね、背中に手を回した。



亜美のことが頭を過ぎったけれど、俺にはもうレイカを頼るしかない。



そうしなければ亜美を守れないんだ。



俺はレイカのドレスを脱がせ、ベッドに体を沈めた。



こんなにも綺麗な女を抱いているのに……



何度も体を重ねた仲なのに……



今では吐き気がしそうなくらい、体がレイカを拒絶している。



それでも俺は手を止めはしなかった。



亜美を守るため……



そう自分に言い聞かせて。



< 239 / 355 >

この作品をシェア

pagetop