バース(アイシテルside伸也)


亜美を大切に思いながら、レイカを抱く日々……



どちらといても罪悪感と孤独感で俺の感覚は可笑しくなりかけていた。



そんな中、亜美は中学を卒業する。



両親が来ない亜美の寂しさを少しでも埋めるために、出席する事を決めたけど……



俺の心はここに在らず。



亜美の存在を物凄く遠くに感じていたんだ。



手を伸ばせばいつだって触れられる距離にいる筈の亜美が、遠くに思えて仕方ない。



もしかしたら、亜美との距離が近づいた分だけ俺は寂しさを感じているのかもしれない。



側に居るのに寂しさは埋められない。



自分で選んだ事なのに、俺はその苦しみから逃げ出したくなっていた。

< 240 / 355 >

この作品をシェア

pagetop