バース(アイシテルside伸也)


卒業式が終わると、Shotを貸切にして卒業パーティー。



これは誰かが卒業するたびにいつもやっていた事だった。



亜美の笑顔が真っ直ぐに見れない俺は亜美から少し目を離した。



ほんの少し、目を離したつもりだった、その瞬間に亜美の姿が消えた。



俺のために用意されていたシナリオだったのか……



それともただの偶然か……



いくら貸切にしているといっても、ガラの悪い奴らが多い中、亜美を一人きりにしているのは心配だ。



俺は店内を歩き回り亜美を探す。



すると携帯が震えだす。



亜美からだと思った俺は誰からの着信だったのかを確認せずに電話に出た。



すると……



「伸也、裏口に来て」



とレイカの声が俺の体全身に響き渡る。

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