バース(アイシテルside伸也)


俺は裏口の扉を開き、レイカの名前を呼んだ。



暗闇の中、レイカの姿を探す。



「レイカ、またここにいたのか?大丈夫か?」



レイカに手を伸ばし、足を進めようとしたとき……



「亜美ちゃんが偶然来てくれたから大丈夫」



レイカの言葉と同時に俺の瞳は亜美を捕らえた。



「亜美、なんでここに……」



声が振るえる。



レイカに触れているこの手も……



俺はレイカから体を離し、恐る恐る亜美に触れようとした。



けど、亜美に拒まれてしまう。



当然だよな。


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