バース(アイシテルside伸也)
「シン、こっちへ来い!!」
康さんが俺に向かって手招きしながらそう言った。
女を見入っていた俺の体は突然の大きな声にビクッと反応する。
女から目をそらさずに一歩一歩近づく。
「まぁ~ここに座れや」
「はい」
「レイカが話したいとよ」
「えっ?!」
どうして俺と話をしたいのか……
「始めましてよね?レイカって言うの宜しく」
そう言って前に手を出した女。
すぐにでも握りたい気持ちなのに、緊張しているのか手が上手く前へと出ない。