バース(アイシテルside伸也)
「ほらっ、亜美行くぞ」
「あっ、待ってぇ~!!」
今日は退院の日。
入院中もずっと付き添ってくれていた亜美。
一緒に病院を出ると車のボンネットに体を寄りかけ、タバコを吸っている遼の姿が目に入る。
「遅かったな。昼くらいかと思ってたよ」
俺達に気付いた遼は手を上げ、近づいてくる。
「悪い。亜美がモタモタしてっから」
「えっ?!私?」
「そうだよ。鞄に服詰めるのに何時間かかってんだよ」
「アハハ~相変わらずだな。もう集まってると思うから、真っ直ぐ店に行けよ」
「あぁ」
この後、俺の退院祝いをしてくれるらしく、俺は遼に車を持って来るように頼んでいた。
「そんじゃ、後で」