バース(アイシテルside伸也)
俺の記憶の中では若いままの親父の髪には白髪が増え、なんだか小さく見えてしまう。
一体、なんだって言うんだよ。
「考えさせてくれ」
俺は兎に角、この場から逃げ去りたくて、曖昧な返事をした。
「連絡を待ってる」
と言いながら顔を上げた親父は、やはり歳をとったんだ。
深くなった皺に、華奢になった筋肉質な体。
親父に背を向けた俺は振り替えることなく、車へと乗り込んだ。
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