バース(アイシテルside伸也)

「亜美、結婚してください」



俺の手の平の中で輝くダイヤの指輪。



柄にもなく、プロポーズ一つにこんな演出をしたのには意味がある。



亜美だけのために、今までの俺を変えられるということを誓いたかったんだ。



今までの俺なら、こんなこっ恥ずかしいことは絶対にしない。



亜美の好きなピンクで店を飾り、大勢の前で愛を誓う。



想像しただけでも、顔から火が出そうなのに、今それをしていると思うと……



でも、俺にはこれをすること事態に意味があるんだ。



「……はい」


と戸惑うように小さな声を出した亜美。



すかさず、遼がマイクで


「亜美ちゃん、聞こえないなぁ~」


と茶々を入れた。



「結婚します!!私、伸也さんと結婚します!!」



息を大きく吸った亜美は、改めて笑顔で叫んだ。



亜美の言葉と同時に盛り上がる店内に大音量の音楽。



「亜美、幸せにする」



「伸也さん」
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