バース(アイシテルside伸也)
俺は“shot”をやめると決断した時点で、親父の会社を継ごうと決めていた。
勿論、康さんの意志を継ぐために、あの街を卒業したいという想いはある。
でも、それ以上に嬉しかったんだ。
どんな理由であれ、親父が俺を後継者として選んでくれたことが。
始めは
“今更”
“都合がいい”
そんな風にしか思えなかったが、段々とそれとは違う温かい感情が沸き上がってきた。
一生、必要とされないと思っていた親父に今必要とされている。
すべてをなかったことになど出来ないが、ここから始めてみたいと思ったんだ。
俺が欲しくて堪らなかった家族ってものを……