バース(アイシテルside伸也)
親父との話を終えた俺は店での仕事をこなし、マンションへと帰る。
これが最近の日常。
マンションに着く頃には、朝日が差し込む時間帯になっていて、高校へ行っている亜美とはすれ違いの生活が続いていた。
いつものように、亜美を起こさないように静かに部屋へ入ると、眠そうにした亜美がリビングのソファーに腰掛けていた。
「お帰りなさい」
「起きてたのか」
「聞いて欲しいことがあって……」
笑顔を向けてくれているけれど、どこか寂しそうな亜美。
「最近、一緒にいてやれなくてごめんな」
「平気だよ」
「もう少しで落ち着くと思うから」
「うん」
文句を言わないでいてくれるのは有難いことだが、もう少し我が儘になってくれてもいいと自分勝手なことばかりを考えてしまう。