バース(アイシテルside伸也)
似た者同士
亜美は大学受験を決めてから、勉強漬けの毎日となった。
学校が終われば予備校に通い、マンションへ帰ってきても参考書と睨めっこ。
それでなくても、すれ違いの生活を送っている俺達に残された時間は僅か……
俺は少しでも亜美との時間を作りたくて、予備校への送り迎えをかって出た。
日に日に体重が減り、やつれて行く亜美を見ながら、俺にしてやれることは何もない。
頑張れと応援することくらいしかできない、情けない俺の横で亜美は確実に成長していた。
たくましく、力強く、前を見ていた。