バース(アイシテルside伸也)
ほら、やっぱりな。
俺達は似た者同士。
だから、亜美がそう言うことくらいわかっていたんだ。
「親父の会社はデカイ。だから、継ぐとなれば俺のすべてを犠牲にしなきゃいけない。今年中に見合いが決まった」
「えっ?」
亜美は驚いた声を出しながらも、どこか落ち着いた表情をしている。
「亜美との約束は守れそうにないんだ」
亜美が涙を零す前に俺は一気に話を進める。
卑怯な奴だよな。
「亜美、もう決めたことなんだ」
「…………」