バース(アイシテルside伸也)
「結婚しても、亜美をアイシテル。俺は生涯亜美だけのものだ」
「でも……」
「亜美はもう一人でも生きていける。大丈夫だ」
「それは……」
こんなふうに、強引にしか話を出来ないことを許してくれ。
亜美が何かを言おうとしているにも関わらず、俺は言葉を重ねる。
「もし、亜美がまた死ぬ事を恐れなくなったら、俺はすべてを捨てて亜美の元に戻る。この手で亜美を幸せには出来ないけれど、俺は……亜美を苦しみからは何度だって救ってやる」
「わかった」
大粒の涙を落としながら、コクリと何度も頷く亜美は涙を拭った。
「亜美、俺はお前が卒業と同時にこの街を去る」
「わかった」
そして、俺には勿体ないほどの笑顔を見せてくれた。