バース(アイシテルside伸也)



緊張しているのか、下を向いたままの格好からお辞儀をする見合い相手。



「ぶっ。不恰好なお辞儀だな」



思わず笑みが零れてしまう。



もうわかっただろ?



俺の声くらい聞き分けろよ。



「これっ。なんて事を言うの。すみませんね」



確かめるように、ゆっくりと顔をあげた、その瞳には涙が溢れそうになっている。



「伸也さん……」



「久しぶりだな」



< 345 / 355 >

この作品をシェア

pagetop