バース(アイシテルside伸也)
道
この街に来てから、俺の日常は目まぐるしく変わっていった。
喧嘩に明け暮れていた毎日の中で出会った遼。
その遼のお陰で“たまり場”という俺の居場所ができた。
そして……
レイカという女も知った。
レイカは俺に沢山の事を教えてくれた。
自分の身なりなど、どうでも良かった俺に着るものを与え、レイカ好みに変えてゆく。
俺はレイカと同じシルバーに髪を染められ、同じ個数のピアスをあけられ、レイカの匂いを付けられた。
普通だったら、そういう風に縛り付けられることに抵抗を感じる奴が多いかもしれない。
束縛されていると感じ窮屈になる奴のほうが多いんだと思う。