バース(アイシテルside伸也)


でも、俺は違った。



レイカは俺の外側を自分の欲の上に縛り付けることはしたけど、俺の内面を縛ることはなかった。



心は一切求めない。



だから……



それでよかった。



外見は“レイカのもの”と印を付けられていたけれど、それはカモフラージュみたいなもので俺の心は昔と変わらず俺だけのものだった。



「シン、女はね……見せ掛けだけでも染まってあげることで独占欲を満たせるものなの。貴方の心が欲しいといって束縛してくる女は沢山いるだろうけど、外見だけ取り繕ってあげなさい。そうすれば貴方の心は守れる」



「レイカは俺にそれを教えてどうしたいんだ?レイカは俺を独占したくはないのか?」



「自惚れないで。私はシンの心などいらない。男の心なんて独占したところで身動きが取れなくなるだけ……外見だけ独占できれば満足よ。それ以上は深く知りたくない」



「そうか」
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