バース(アイシテルside伸也)
レイカの予想通り、レイカは康さんに近づく事を禁止された。
この街に出入りすることも。
「24時間体勢でレイカには監視がついて、酷かったんだぞ」
もう7杯目になるビールのジョッキをカラにした康さんは俺のほうを見ないで話を続ける。
「それからレイカは変わっていったんだ。あれでも昔は純粋で素直でいい子だった。今もそれを隠して生きているだけだろうけど。隠さなければ生きていけなかったんだろうな」
ポタっと康さんの目から雫が一粒落ちた。
申し訳ない気持ちになる。
康さんのように誰かを愛する気持ちをわからなくても、俺と康さんの思いの違いはわかる。
だから、康さんがこんなにも思っているレイカを抱いている自分がどうしようもない人間に思えてならない。