バース(アイシテルside伸也)

「俺は何も知らないでレイカと……」



「それはレイカが望んだことだろう。俺に気兼ねなんてするな。ただ、俺はお前も大切だ。レイカには気をつけろ」



言っている意味がわからない。



「レイカは気に入った男には異常に執着する。もし、お前に大切な女ができたときアイツは邪魔をする。今までもそれで何度もトラブルを起こしている」



この時、俺はレイカはまだ康さんが好きだと確信した。



他の男と寝るのは康さんへの当てつけ。



康さんの側にいれない寂しさを埋めるため。



そして、他の男にも自分だけを愛して欲しいんだ。



昔、康さんがしてくれたように……



そうでなければレイカは康さん以上に愛することはできない。



康さんから離れることができないんだ。


< 76 / 355 >

この作品をシェア

pagetop