バース(アイシテルside伸也)
「シン」
「はい」
「お前は俺の昔に似ていると言ったが撤回させてくれ」
「えっ?」
レイカの話をしていた康さんが突然話を変えた。
「お前は俺を簡単に越えられる。俺ができなかったことができる男だ。レイカもそれをわかっているのかもな」
「言ってる意味がわかりません」
「死ぬのが怖くないのは俺と同じで愛する事を知らないからだと思っていた。でも、お前は愛するものがないだけで、愛することは知っている」
「そんなはずないっすよ」
俺は愛を知らない。
だから、この時康さんは俺を勘違いしていると思っていたんだ。