バース(アイシテルside伸也)
「馬鹿でしょ。私のために死んだのよ」
聞いたこともないようなレイカの声が耳に届いた途端、周りの雑音が一切聞こえなくなる。
「母親の所に一人で乗り込んだの。シンは康から私達のこと聞いたでしょ?!」
レイカはやっと俺の目を見てくれたけど、焦点が合っていない。
「あぁ、聞いた」
「敵対している組によ。一人で乗り込むなんて馬鹿すぎるわ」
「なんで……」
レイカはグチャグチャになった白い紙切れを俺の手に乗せた。
「これ……読んでいいのか?」
コクリと頷くレイカ。