バース(アイシテルside伸也)

「私なら大丈夫」



「レイカ……」



強がっているように見えるレイカの姿。



「私達はそういう家の子供に生まれたの。自分が命を落とすことも、大切な人を失うことも覚悟して生きている。だから、平気よ」



凛とした表情でそう話すレイカは強がりなんかじゃなく、本当の強さだ。



この女の本当の強さ……



康さんが惚れた女の強さを目の当たりにして、俺は涙が止まらなかった。



康さんを失った悲しみ。



レイカに突きつけられた自分の弱さ。



そして、レイカの孤独。



何もかもが悲しかった。



「シン」



泣きじゃくる俺にレイカがそっと手を握り返す。

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