バース(アイシテルside伸也)
「この街はこういう所。簡単に人が死に、その事実に誰もが慣れていってしまう。シンはこれからもこんな汚れた街で生きてける?」
正直わからない。
でも、俺はコクリと頷いた。
「それなら康の意思をついで頂戴。この街に何も知らずに訪れる若い子達を守ってあげて。そして、その子達が安心して出入りできるような街にして」
「俺になんてできるかな?」
我ながら何とも情けない声でレイカにそう問いかけた。
「貴方にしかできないわ」
見たこともない優しい表情で俺に微笑んでくれたレイカは綺麗だった。
初めて女をこんなに綺麗だと思った。