【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
――……
『優愛!』
『何?蓮!』
『学校終わったら話あるんだけど、教室にいてくれる?』
私よりも背が低い蓮がそう言った。
私は何なのかさっぱりわからないままだったけど、
分かったと言って放課後を待った。
蓮とは小学4年生のころ転校してきて
席が近かったっていうのもあって仲が良くなった。
蓮の家族は転勤族でいろんな所を転々としてたみたいで、
“またいつかこの街からも居なくなっちゃう”
というのも覚悟の上の友達づきあいだった。