【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「お、帰ってたのか。優愛。」
「う、うん」
「あ、もしかして、蓮くんかい?」
とお父さんが蓮に声をかけると蓮は
「はい。お久しぶりです。」と
お父さんに向かって頭を下げた。
「帰ってきたのか。この街に。」
「あ、はい。」
「ここじゃなんだ。中には入りなさい。」
とお父さんが蓮を招いた。
蓮はいいです。と首を振っていたけど、
お父さんが無理矢理家に入れた。
先にリビングに入ってしまったお父さん。
私と蓮は玄関に取り残されてしまった。
「え、えっと、ごめんね…お父さんが…」
とりあえず何を話していいか分からず
お父さんの行動を謝った。
「いやいいよ。俺ひとり暮らしだし。」
と、蓮が私の頭をポンと叩いて笑顔で言ってくれた。