【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
ドキリと胸が鳴る。
ドキドキを隠すために急いで私は靴を脱ぎ、
リビングの扉を開け、蓮を入れた。
「優愛達は食べてないんだよな?」
と、私達の顔を交互に見るお父さんに私は、頷き、
蓮は「食べてないです」と丁寧に答えた。
お父さんに部屋で待ってろと言われ
リビングを出された私達。
へ、部屋………
「私の部屋階段上がれば【ゆあ】って書いてるから
分かる。先に行っててくれる?」
私は蓮の顔を見ずにそう言って、
トイレに向かった。
あの時お父さんが玄関の扉を開けていなければ、
私は、蓮に告白していた。
今はまだ笑っていられるけど、
告白していたら、そしてもしフラれていたら、
今、私は泣いていたのかな。
告白する決心をしていた。
でも、せずに済んだ。
どっちのほうが良かったんだろう。
やっぱりもう一度告白するべきなんだろうか………