【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
――ガチャ
「ど、どうしたの?す、座んなかったの?」
と、俺の後ろの扉を開けたのは優愛。
「あ、悪い……どこに座っていいか分かんなくなった……」
俺がそう言うと優愛はクスッと笑った
優愛が声を出して笑ったのは久しぶりに見た。
4年前に見た優愛とは全く違う。
この4年間、
俺が知らない優愛の4年間が知りたい。
「どこでもいいよ。座って……」
という優愛はベッドに腰を下ろした。
俺は2、3歩前に歩き
カーペットが敷かれてある所にあぐらをかいた。
「……」
「……」
2人の間に沈黙という名の空気が流れる。
そんな時沈黙を破ったのは
優愛の言葉だった。
――「あのね……私……」
*sideend