【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「俺らすれ違いすぎだろ…はは」
そう言ってうるうるした目を私に向け笑った蓮。
「うんっ………ははっ!」
私はそんな蓮の隣に腰を下ろし抱きしめた。
「ちょっ…お前、何してんだよ。」
私が離れ、蓮の顔を見つめると、
蓮は顔を紅潮させ、顔を逸らした。
「ふふっ……良かった………伝わって…っ
ほんとっ…よかっ……た……」
私は蓮に抱きついて涙を流した。
「優愛、ごめんな……」
そう低い声で呟く蓮は私をぎゅっと抱きしめてくれた。
しばらく蓮の暖かな腕に包まれたまま居ると、
1階からお父さんの声が聞こえた。
私は蓮から離れ、扉を開けた。
後ろから蓮も歩いてきた。
「行くか。」
と、私の手を握り指を絡め階段を降り始める蓮。
蓮の手のぬくもりを感じながらリビングに向かった。