【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
リビングの前で蓮が立ちどまる。
私は下を向いていたから、
止まった蓮の背中に頭をぶつけた。
「優愛………」
小さく呟き私の顎をクイッとあげた。
斜めに倒した蓮の顔がだんだんと近づく。
私はドキドキする胸を手で押さえて、
静かに目を瞑った。
小さなリップ音と共に私の唇に
温かいものが落とされた。
静かに離れたと思ったら耳元で、
「好き」と囁かれ、私の全身の体温が上昇した。
蓮の手によってリビングの扉が開かれた。