【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
思い出したくない過去*
「はい。座って。食べるか。」
お父さんがそう言って私と蓮を食卓に座らせた。
もともと料理が得意なお父さんは
いろいろ作ってくれた。
そして、蓮と話を始めた。
「いつこっちに?」
「今年の6月に俺だけ来ました。」
「そうだったのか……
昔はよくここに来たと母さんが言ってたからな。」
お父さんがそう言うと、蓮の顔が少し歪んだ。
何かを考えているような………
私はお父さんたちの会話を聞きながら
ご飯を黙々と食べ進めた。
「まぁ、いつでも遊びにおいで。」
お父さんがそう言いながら、
立ち上がり、食べ終えた食器を片付け始めた。
蓮は最後の一口を口に入れると、
「はい。是非。」と、一言言って蓮も立ち上がり
食器をお父さんの元へと運んだ。