【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
久しぶりにお父さんが誰かと話しているのを見た。
お兄ちゃんが帰ってくれば
話はするけど深くまで話さないし、
3年前まではお母さんと話していたからね………
私はそんな事を思いながら
蓮の後に続いてお父さんの元へと食器を運んだ。
「お父さん、部屋戻るね。」
私はそう小さく声をかけて、
蓮と一緒に部屋へと戻った。
蓮は時間を気にもせず、私と笑って話をしてくれた。
「あ、蓮…」
話が一段落つき、沈黙になった時、
私は蓮の名を呼んだ。
「何?」
蓮は私の顔を見てそう聞いてきた。
「あのね……ら、来週、ね、」
「来週?」
「冬休みの前日……なんだけど。夜会いたい…」
「うん。いいよ。会おう。」
そう言って笑ってくれる蓮。