【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「あ、ありがとっ……」
私も蓮につられて笑った。
蓮の誕生日、お祝いしなくちゃ。
私は心の中でテンションがあがった。
「そろそろ、俺帰るな?」
「え、あ、うん。わっ、もうこんな時間っ!!」
部屋の壁にかけられている時計を見ると、
指していた時間は午後9時だった。
そして、階段を降りきり、
蓮はリビングの扉をゆっくり開け、
お父さんに挨拶していた。
「んじゃな。」
「あ、外まで送る。」
1人で玄関を出ようとした蓮を止めた。
そして、玄関を2人で出て、
「気を付けてね?」
私はそう声をかけた。
「あ、あのさ。」
「ん?」
「俺、お前の4年間が知りたい……」
蓮は私に背を向けながらそう言った。