【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
それから蓮と別れた私は部屋に入るなり、
ベッドに潜り込んだ。
“俺は居なくなんねえからな。”
蓮が言ってくれた言葉が、
頭の中をグルグルと回っている。
嬉しくて、嬉しくて、
とても嬉しくて。
蓮がそう言ってくれた事が。
でも、少し信じきれないところもある。
同じ事をお母さんにも言われたことがある。
『優愛、泣かないの。優愛の周りがみんな敵になっても、
お母さんだけは味方だからね。
お母さんは居なくならないからね。』
そう、小学1年生の頃男の子にいたずらされて、
泣いていた私にお母さんがかけてくれた言葉。
“お母さんは居なくならないからね。”
“俺は居なくなんねえからな。”
お母さんは居なくなった。
蓮も居なくなるんじゃないかって考えてしまう。