【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~




「あ、ね、優愛は紅茶か?……紅茶だよな…」


私に質問しておきながら
勝手に理解した蓮の行動に私は、クスッと笑った。


「知ってたの?私紅茶が好きなの…」


と、ちょっと浮かれた気分で聞いてみた。


「…まぁ。チビの頃から好きだったろ?」


ドキッ………


お、覚えてくれてたんだ。


私が外で飲むと言ったら紅茶だったこと……


蓮………


なんだか、嬉しいな………


「…うん。ありがと。」


私は太ももに乗せた自分の手を見つめながら、
そう呟いた。


嬉しくて、顔の温度が上昇する。


「はい。ケーキ決まってんのか?」


と、ソファーの前にあるテーブルに
ティーカップを持ってきた蓮が私にそう聞く。

私は少し慌てて、2つのケーキをお皿に出した。


1つは私が好きなフルーツタルト。

もう1つは蓮が好きだと言っていた
チョコレートケーキ。


< 131 / 287 >

この作品をシェア

pagetop