【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「あ、ね、優愛は紅茶か?……紅茶だよな…」
私に質問しておきながら
勝手に理解した蓮の行動に私は、クスッと笑った。
「知ってたの?私紅茶が好きなの…」
と、ちょっと浮かれた気分で聞いてみた。
「…まぁ。チビの頃から好きだったろ?」
ドキッ………
お、覚えてくれてたんだ。
私が外で飲むと言ったら紅茶だったこと……
蓮………
なんだか、嬉しいな………
「…うん。ありがと。」
私は太ももに乗せた自分の手を見つめながら、
そう呟いた。
嬉しくて、顔の温度が上昇する。
「はい。ケーキ決まってんのか?」
と、ソファーの前にあるテーブルに
ティーカップを持ってきた蓮が私にそう聞く。
私は少し慌てて、2つのケーキをお皿に出した。
1つは私が好きなフルーツタルト。
もう1つは蓮が好きだと言っていた
チョコレートケーキ。