【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「……優愛…」
私の名前を呟いた蓮の顔を見ると
蓮は顔を紅潮させていた。
「……っ」
「俺、お前以外を好きにならないから。」
そう言って私を優しく包んでくれた。
「蓮………」
「優愛。好きだよ。」
「わ、私も………」
抱きしめる腕を強める蓮。
私も蓮の腰に回した腕に力を入れた。
また、蓮は、力を入れる。
その繰り返しが私には凄く幸せに感じられた。
「ねぇ蓮。」
「ん?」
「誕生日おめでとう。私と出会ってくれてありがとう……」
恥ずかしさをこらえながら伝えた。
「ありがとう。優愛も、俺と出会ってくれてありがとう。」
少し暗い階段の踊り場で私たちは
甘く、でもどこか切ないキスをした。