【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「じゃ、俺は部屋にいるから。
蓮くん。ゆっくりして行きなさい。」
そう言って、お父さんはリビングを後にした。
「……あ、はい。」
「あ、ねぇ、私、ケーキ作ったの。食べる?」
「うん。もちろん。」
そう笑ってくれた蓮の顔を見て、立ち上がり、
ケーキをテーブルに乗せた。
「うわーっ!すげー。美味そうっ!!」
蓮は目をキラキラさせ、
私が作ったホールケーキを食べ始めた。
歌、歌ってないのに………
なんて、思いながらも私も我慢できずに
ケーキにフォークをさした。
「蓮、これはい。誕生日おめでとうっ!!」
私は、前から準備していた蓮へのプレゼントを渡した。