【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
「………あ……優愛……優愛!」
私の体を揺らしながら
名前が呼ばれる夢を見た…………?
夢………?
「優愛!!」
蓮っ!!
「あっ!!」
私、寝てたんだった………
蓮に起こされ思わず大きな声を出してしまった。
「しぃーっ」
と、蓮は冷静に人差し指を唇にあて、そう言った。
私は両手で口を塞いだ。
「ごめん……」
小声で蓮に謝ると私の肩に回したままの手で
私の頭を撫でながら、
「うん。もうすぐ着くぞ。」
と優しく微笑んでくれた。
「うん」
私も、蓮に向かって笑顔を見せた。