【完】雨音*涙音~すれ違う恋心~
駅近くまで戻り、駅にある地図を確認した。
「あ、ここだな!ここから近いな!」
と蓮が笑ったと思ったらまたケータイを気にする蓮。
「どうしたの?蓮………」
私がそう聞いても怖い顔をした蓮は答えてはくれなかった。
「……ねぇ、優愛旅館に行っていいかな……?」
と静かに尋ねる蓮。
私は、なんの躊躇いもせずうんと頷いた。
今日一日の蓮の行動は、
なんだかいつもと違う気がしてならなかった。
それを聞けることが出来れば、
モヤモヤせずに済むのかもしれないけれど、
私にはそんな勇気はない………